デジタルカメラへの回帰 [ 後編 ]
前回の日記の続きです。
もったいぶって終わった前回ですが、購入したカメラの全貌をいま明らかにしますっ!
じゃっじゃ~ん! EPSON R-D1s です!
あれ?前にも同じデザインのカメラを買ってなかった?
そう思った方は鋭いですね。まさにその通りです!
ボディ外観は一ヶ月前に購入したコシナの BESSA R3A とほとんど同じです。
しかし、中身は全く異なります。BESSA R3A が 「レンジファインダー(フィルム)カメラ」であるのに対し、EPSON R-D1s は「レンジファインダーデジタルカメラ」なのです!
R-D1s のすごいところは、カメラの構造を極限までフィルムカメラに似せてつくってしまったところです。その最大の特徴は、なんといっても巻き上げノブ。デジタルカメラなのに巻き上げノブがあるのです。フィルムカメラと同じように、巻き上げノブを巻き上げてからじゃないと写真が撮れない構造になっているのです!!
ん?めんどくせーカメラだな?
ちっちっちっ。そこの君!!!
この巻き上げノブが良いんですよ!マニュアルカメラに手が馴染んでしまった人にとって、巻き上げノブはいわば心臓部。心地よくリズミカルに写真を撮るためには最も大切な機構なのです。シャッターを切ったらすかさず巻き上げ、シャッターを切り、また巻き上げる。この一連の動作があるから気持ちよく写真が撮れるのです。これはフィルムカメラの儀式ともいえるものなのですっ。
そして、上写真を見てもらえば分かるとおり、シャッタースピードや露出補正、ISO感度の操作が全てアナログ式。そればかりか、ホワイトバランスやSDカードの残数、バッテリー残量の表示も全てアナログ指針計で表示されているのです。フィルムでいう巻き戻しノブの部分は、R-D1s では ジョグダイヤルの機能になっています。
さらに、デジタルカメラ最大の特徴といえば、やはり液晶画面。パッと見でフィルムカメラかデジタルカメラかを素早く見極めるためには、普通はカメラの背面をチラ見しますが、R-D1s はその液晶画面をバリアングル構造にすることで、液晶画面を見せないようにして隠しておくことができるのです。これによって、R-D1s をチラ見した人は、「あぁ、あの人はフィルムカメラを使ってんだな…」とカムフラージュすることができるのです!!
え!?それになんの意味があるのかって?
え…それを言われちゃうとなんともいえないところなんだけど、ま、つまり…その…このデジタル時代に俺はフィルムカメラを使ってんだぜ~的な自慢をしたいわけですな(笑)。てか、自慢になってないと思うけど、自己満足の世界だからそれはそれで良いのです(^^;)。
因みに、SDカードを入れる場所もはっきりいってどこに入れるのかわからないぐらいボディと完全に一体化しています。僕はこのSDカードの場所を探すのに5分ぐらいかかりました(笑)。
次に、R-D1s はMマウントのカメラである点も見逃せません。これは「レンジファインダーの魅力 」で詳しく述べたのでここでは割愛させていただきますが、要はライカ、ツァイスなどの世界中のさまざまなレンズが使えるようになるということです。
ただし、R-D1s は APS-Cサイズなので実際には焦点距離の1.53倍しなければなりません。28mm のレンズなら 42mm、35mmのレンズなら53mm、50mmのレンズなら75mmの焦点距離になってしまいます。これは、Nikon の APS-Cサイズでも同じことなので説明するまでもありませんね。レンジファインダーは広角を得意とするところですが、R-D1s ではどちらかというと標準域の焦点距離を得意としています。もちろん、外付けビューファインダーを使えば広角域もカバーできます。
R-D1s は、すでに生産が中止されているという噂(事実かも)もあり、いま買っておかなければ中古相場で値段が跳ね上がるのが目に見えているし、高かったけどここは思い切って買っちゃいました。ヨドバシやビックカメラではだいたい21万円の10%ポイント還元、マップカメラでも5台限定でポイントなしの現金で19万8000円でしたが、僕は「常連価格」+「裏技」を使ってポイントなしの現金のみで16万8000円で買えました☆ 相場よりかなり安く買えたので良かったです。わーいわーい。
でもね、実際はかなり迷いました。ここまでの値段を出すと Nikon D300や オリンパスのE-3、少しがんばれば EOS 5D や D700 までが買えちゃう価格ですからね。楽をして写真を撮りたいなら絶対に EOS 5D を買ったほうが幸せになれることはわかっているけど、僕にとっては大きくて重い EOS 5D を持ち歩いている自分が想像できなかったんですよね。
機能や画質、利便性を犠牲にしてまでも欲しかったカメラ、それが EPSON R-D1s なのです。
前にも似たようなことをいいましたが、写真を撮るためのカメラなんてほんとはなんでも良いんです。なんの道具を使うかよりも、どのように道具を使うかが大切なのであって、最近はこの根本を見失いつつあるのですが、それでもやっぱり愛着のもてるカメラというのは写真を撮る上で重要な要素だと思うのです。好きなカメラじゃないと持ち歩く気もしないし、好きなカメラだからこそ自分が撮りたかった写真が撮れるのです。第三者がその写真をどう感じるどうかは別として、ね(笑)。
これから僕はデジタルカメラも併用して写真を撮っていくスタイルに変わっていくわけですが、ひとつだけ忘れてはいけないことがあります。それは、フィルムが僕に教えてくれた1番大切なこと。1枚の写真を丁寧に撮ることです。そう、まさにフィルムカメラで撮るように…。
ご存知の通り、フィルムは 1本で36枚しか撮れません(最大でも39枚)。なので僕のような貧乏性の人は無駄玉は打たなくなるので、写真を撮る前によく吟味し、「本当にこの構図でいいのか?」と自問自答します。残り枚数が少なくなればなるほどじっくり考えるようになります。
そして、一旦、構図を決めたらカメラをしっかりホールドさせ、心静かにシャッターを切る。この感覚は、何枚でも撮れていつでも消せてしまうデジタルカメラではつい忘れがちになってしまう感覚です。写真を撮る自由度の高さゆえに1枚の写真を撮るのに費やす時間が少なくなり、写真に甘さがでてしまう。それは構図であったり、露出であったり、絞り値であったり、ピントの位置であったり。
とりあえず1枚撮っておこう、というお気楽主義的な考えが写真の腕までも鈍らせるのです。でも、僕にはもう、その心配はありません。R-D1s が語りかけてくれるから。R-D1s の巻き上げノブを巻き上げるたびに僕は必ず思い出すでしょう。フィルムカメラで1枚1枚、丁寧に撮っていたときの感覚を。
さぁ、構図を決めたら静かに目をつむってごらん。
ほら、なにかが見えてきただろ?
あとはシャッターにそっと指を置くだけでいいんだよ・・・
久々にクサさ全開の日記を書いてしまった…(笑)。
不思議~~。
不思議~~。
すごく不思議なカメラ~~。
こんなのあるんですね。
バリアングル構造、って何ですか?
表面に液晶画面は付いてないってコト??
巻き上げノブあるなんで不思議~~。
デジタルなのに、何を巻き上げているんだ・・・。
ちなみにワタシは、巻き上げをよく忘れて、
次を撮るときにシャッターが下りず、
ぎゃふんとなることがあります・・・。
FEなんかは、ノブが開放になったままスイッチオン状態で、
放電しまくってることも、よくあります(-_-;)
確かに、フィルムカメラは、1枚1枚大事に撮りますよね。
どう写ってるかわからないから、アングルや露出をイロイロ変えて、
予備に撮っておくのも、独特かも。
投稿者: くずは | 2008年10月01日 12:01
> くずはさん
えへへ、ほんと不思議なカメラですよねー♪
バリアングル構造ってのは、フリーアングルって言えばわかりやすいのかな。最近、流行のライブビュー液晶みたいに、液晶を自由な角度に変更したり、裏返したりすることができます。
ほんと、このカメラはなにを巻き上げているんでしょうね(笑)。巻き上げてはじめてシャッターが切れる構造にしたのはすごいと思います!
僕もよく巻上げを忘れてて、ぎゃふんとなることがありますね。肝心なときにシャッターチャンスを逃すこともしばしば(笑)。デジタルになるとなおさら、巻き上げるのを忘れがちになりますね(^^;)
フィルムは予備撮りますよね。手ブレしてるといけないから、念のためにもう1枚とかよくやります。構図や絞り値の違いごとに、もう2~3枚撮りたいところだけど、もったいないからやめることもよくあります(笑)。これからはデジタルでも撮っていきますが、フィルムで覚えたことは忘れないようにしたいですね☆
投稿者: コロ | 2008年10月02日 00:58
これでフルサイズだったら ってそうなると値段も跳ね上がりますます買えなくなってきますね。
最初の頃は望遠系にはまっていましたが、最近は広角~標準系のレンズばかり使っています。
ところがAPS-Cクラスだと広角系が辛いですからね。
今とってもレンジファインダーカメラが気になっています。
投稿者: ちいちゃん | 2008年10月21日 09:32
> ちいちゃんさん
「さん」付けも変なので、「ちいちゃん」と呼ばせていただきます(笑)。
そうそう、これでフルサイズだったら言うことはないんですけどね。仮にライカから出たとしても僕は買えないだろうし、ライカ以外のメーカーからフルサイズレンジファインダーデジカメを発売して欲しいですね。
僕もデジイチ購入当初は、望遠系ばかりハマッていましたが、今は 28mm~40mm ぐらいの焦点距離が多いですね。レンジファインダー、ひじょ~に面倒ですが楽しいですよぉ。BESSA も良いし、ツァイスイコンもあるし、キヤノンもニコンもライカもある。楽しみは尽きませんね♪ マイクロフォーサーズでもMマウントのレンズが使えるように変換アダプタがつくような話もでているようですし、レンジファインダーに飽きたらマイクロフォーサーズで使うという手もありますね☆
投稿者: コロ | 2008年10月21日 23:31