レンジファインダーでPLフィルターを使う
レンジファインダーは、撮影用レンズとファインダーが独立しています。
これによって以下に示すメリットとデメリットが生まれます。
メリットとしては、
1. 暗いレンズを装着してもファインダーの見え方が変わらない
2. レンズ前面にPLフィルター or NDフィルターを装着してもファインダーの見え方が変わらない
3. モノクロフィルターを装着してもファインダーの見え方が変わらない
上記3つのメリットは全て、「ファインダーの見え方が変わらない」ということで共通しています。これはつまり、被写体のピント合わせがしやすくなることを意味します。一眼レフに PLフィルターやNDフィルターを装着しながらファインダーを覗くと、ファインダーが暗くなるのでピント合わせがしずらくなります。
また、一眼レフにモノクロ用の Y2フィルター(黄)や YA2フィルター(橙)などを装着してファインダーを覗いたときも、ファインダーはかなり見にくくなります。色メガネで世界を覗いている状態になるので、気分的にあまり気持ちの良いものではありません。
しかし、レンジファインダーならばファインダーの見え方が全く変わらないので、一眼レフと比べると圧倒的にピント合わせがしやすくなるのです。
次に、レンズとファインダーが独立していることのデメリットをあげると、
1. PLフィルターの効果を確認することができない
2. 絞り値を変更してもボケ具合をファインダーで確認することができない
3. レンズキャップをしたまま、シャッターを切ってしまうことがある
などがあげられます。3番の「レンズキャップをしたまま、シャッターを切ってしまうことがある」というのは、レンズとファインダーが独立しているが故に、レンズにキャップがしてあっても撮影者には普通に景色が見えているので、レンズキャップをしていることに気づかないのです。まぁ、慣れの問題なので撮影者が注意すればいいだけのことですが…。
そして、レンジファインダーの最大のデメリットは、1番の「PLフィルターの効果を確認することができない」ことでしょう。PLフィルターは、色彩コントラストをアップさせたり、反射を除去・軽減させるためのフィルターです。水泳のゴーグルでもPL効果(偏光効果)がついたゴーグルは少しだけ値段が高くなっていますよね。あれは、水面反射をカットすることで目に優しくなっているわけですね。
PLフィルターは、フィルターの先端をくるくると回すことによって効果が徐々に変化していくので、自分の意図する効果を与えたい位置にセットします。けれど、レンジファインダーの場合は、レンズとファインダーは独立してしまっているので、いくらPLフィルターをくるくると回してもファインダー内では効果を確認することができません。
そこで登場するアイテムが、PLファインダーとPLフィルター・バーニア(目盛り付きPLフィルター)というものです。以下写真の左にあるのが「PLファインダー」です。本来はストロボをつける位置にPLファインダーを装着します。
右にあるのは中古カメラ屋さんで購入した43mm径のフィルター群です。上から、Y2フィルター、UVフィルター、PLフィルター、ND4フィルター。ひとつ300円でした。これらのフィルターを新品で購入すると合わせて5000円近くなるので、約5分の1の値段で揃えることができてよかったです☆ フィルターは、中古カメラ屋さんで、投げ売りに近い値段で売られているのでこればっかりは新品で買うのはバカらしいと思います。
PLファインダーは、以下写真のようにフィルターの円周に1番から12番までの番号が振られています。PLフィルター前面をくるくる回し、効果が現れたところで回転をストップさせ、番号を覚えておきます。
次に、レンズに装着したPLフィルター・バーニアという目盛り付きのフィルターで、PLファインダーで確認したときと同じ番号にセットすれば、自分が意図した偏光効果が得られるというわけです。
しかし、このPLフィルター・バーニアは、49mm径より径の小さいフィルターはなんとすでに発売中止されています!中古屋にもおいてないし、オークションでも出ていません!いくら需要が無いからといってもそりゃないよ、Kenkoさん!!
レンジファインダーは、レンズが小さいために径の小さなレンズが多く、49mm径以下のフィルターサイズであることがほとんどです。僕が持っている Nokton Classic 40mm は、43mm径。このレンズにPLフィルター・バーニアを装着するためには、43mmから49mmに変換するステップアップリングを用いなければなりません。
けれど、ステップアップリングって意外と装着の手間が面倒なんです。それに、ステップアップリングの装着によって純正フードも取り付けることができなくなってしまいます。
さらに痛いことには、このPLフィルター・バーニア、たかが目盛りが付いているだけのPLフィルターなのに、通常のPLフィルターより何倍もお値段が高いのです。例えば、サーキュラーPLではない通常の52mm径のPLフィルターが1300円ぐらいであるのに対し、52mm径のPLフィルター・バーニアは6200円ぐらいしてました(ヨドバシカメラで)。
6200円!?PLフィルターに目盛りがついているだけで?ありえない…。
そんなに高い値段をだしてまでPLフィルター・バーニアを買うぐらいだったら 通常の 43mm径のPLフィルターを買って、自分で目盛りを書きくわえたほうが純正フードも取り付けることができるし、値段的にもはるかに安上がりにすませられるんじゃないだろうか?と思って自作した1号機がこれ。使用した43mm径のPLフィルターは、中古で買ってきた300円のものを使っています。シールはテプラで印刷したものを貼り、その上からセロハンテープで補強しています。
目盛りのつけ方は簡単です。PLフィルターには、半円回すごとに最大の効果が現れます。つまり、偏向効果が最も強い部分が円の中に2箇所あることになります。その2箇所をマークしておき、その間を補完するように番号を割り振っていけばできあがりです。
でも、この方法だと番号の位置がかなりアバウトで正確ではなくなるので、パソコン上で目盛り間隔を正確に測って作ってみた2号機がこれ。パソコン上で製作した目盛りをプリントアウトし、セロハンテープで固定しています。デザインも、マトリックス調にしてみました♪ 分厚い写真用紙に印刷するとフードが取り付けられなくなってしまうので、なるべく薄い紙に印刷しましょう。
で、実際にPLファインダーと自作PLフィルター・バーニアを装着してみた写真がこれです。写真ではフードを取り外してありますが、もちろん、フードを装着することもできます☆ わーいわーい!これでレンジファインダーでPLフィルターが使えるようになるぞぉぉ~♪ レンジファインダーで風景を撮影する意欲が湧いてきました!
すごすぎるーーー。
マメすぎるーーー。
数学すぎうーーー。
ワタシにはムリです・・・。
今のところフィルタは、ダイヤル35にY2を付けて撮る経験しかしたことないんです。
ヤシカにもY2は欲しいな、と思ってます。
あとは、フィルタ経験・知識、皆無です。
PLも、実際の見え方がどう変化するのか、興味はあるものの、
何となくフィルタ使いは、難しそうでハードル高いです。
ガラスへの景色の写りこみがジャマなときとかに、
フィルタあったら何とかなるのかなぁ・・・、と思ったりはします。
投稿者: くずは | 2008年09月28日 00:57
> くずはさん
やってみると結構、簡単ですよ☆
ただ、正確に目盛りをあわせるところとか、ちょっと面倒くさかったですけどね(笑)。
Y2は僕は一応いざというときのために買ってるだけで、実はほとんど使ったことがないんですよね(笑)。ちゃんと使ってあげないとだめですね…。
PLは、フィルターの中では一番面白いと思いますよ。カラー写真ならいっそう楽しいと思いますが、モノクロでも状況によっては役立つときもあると思います♪ 景色の写りこみを消したいときはほんと便利だと思います。決して難しいことはありません。くるくる回すだけですから(笑)。是非使ってみてください☆
投稿者: コロ | 2008年09月28日 16:57